今年で最後となるセンター試験ですが、来年から実施される大学入学共通テストでも外国語の出題教科として、英語以外に「フランス語」が選択できるようになっています。
内容はセンター試験と比べてどのように変わるかはわかりませんが、センター試験のフランス語の過去問について調べてみました。
もくじ
センター試験のフランス語の過去問
大学入試センターから過去問を入手
センター試験の過去問は「大学入試センターの公式ページ」から、過去3年間に出題されたものに限りダウンロードできるようになっています。
こちらから、「フランス語」の過去問も手に入るようになっています。
センター試験のフランス語の難易度は
うちの子供たちは、小学校レベルくらいまでの教育をフランスの現地校に通って受けていました。
1つここで言っておきたいのは、うちの子供達はフランス語のバイリンガルとは言っても、フランス語は得意科目ではありません。
でもこの問題さえできていればセンターの外国語は満点を取れたわけですから、英語に比べてフランス語は比較的出題内容は簡単だと思われます。
試験時間は80分の問題ですが、30分くらいで終えていました。
バイリンガルの子が間違えた問題の内容
その間違えた1問について解説したいと思います。
この問題は、フランス語の得意なフランス人には簡単な文法問題かもしれませんが、ネイティブのフランス人でさえ間違ってしまう人は多いと思います。
フランス語は、話すよりも書くほうが格段に難しいので、正しく書けないフランス人は意外に多いのです。
問題内容は、( )に入る単語を選ぶ問題です。
Elles se sont ( ) des letters pendant des années.
①écrit ②écrite ③écrites ④écrits
センター試験なので4択です。
うちの子は全員、答えは③écritesだと言いました。
私も③écrites だと思いました。
でも正解は①écritなんです!
問題の文法解説
過去分詞の性数一致
フランス語の文法には「過去分詞の性数一致」というものがあります。
動詞être + p.p.(過去分詞) の場合は、主語に性数を一致する場合が多いです。
代名動詞では普通「s’」の部分すなわち再帰代名詞(se)の部分が、直接目的(OD)の意味合いを持ち、その場合ODが動詞の前に位置するという理由によって、「主語に性数を一致する」というルールがあります。
ですから一般的に、
Ils se sont rencontrés à la bibliothèque.
のように「主語に性数を一致」する場合が多いです。
ですが、この例文で使われているのはsécrire という代名動詞で、この動詞の再帰代名詞(se)の部分は間接目的語(COI)の意味合いがあり、別途、直接目的語(COD)をもつ動詞なのです。
Elles se sont écrit des letters pendant des années.
des lettersが直接目的語(COD)で、動詞の後に位置するので、この場合は「主語に性数を一致しない」ことになります。
上の問題はこれで解決ですが、もう少し発展させて見ていくと、さらにフランス語の文法が難しいことがわかります。
この直接目的語(COD)が、動詞の前に位置すると「CODに性数を一致する」というルールがあるので、以下のようにles lettresが動詞の前に位置するように変わると「CODに性数を一致」します!
les lettres qu’ils se sont écrites
ものすごくややこしいでしょ?
フランス人でもフランス語の文法は難しい
一度習って理解してもすぐわからなくなってしまいます。
きっと子供達も何度も習っていることだけれど、全く覚えていないのだと思います。
やれやれ…
でもこういう文法はフランス人でもきちんとわかっている人は少ないです。
話し言葉には表れませんからね。
フランス語を書くのは非常に難しいです。
とにかくセンター試験は、
英語にくらべたら内容は易しいので基礎をしっかり勉強しておけば高得点は狙えそうですね。