海外には20年以上住んでしましたが、今は日本に帰ってきています。
主にフランスが長いのですが、イギリスやアメリカにも住んでいたことがあります。
これから海外生活を始める予定の人、漠然と将来海外移住を考えている人の参考になればと思い、フランスで生活していてよかったなと思う点をまとめてみました。
もくじ
フランスへの海外移住のメリット
仕事ではなく家庭中心の暮らし
一部のエリートには激務の人もいます。
しかし普通の会社員がプライベートを犠牲にしてまで仕事をすることはありません。
「仕事」よりも「家族」や「自己実現」の方が大事なので、自分のキャリアになることは頑張っても「会社」のために働くという意識は薄いです。
バカンスが多く、仕事の時間も短ければ、自分の好きなことに時間を使えます。
時間がゆったり流れる
今流行っているものにあまり左右されることがないので、お店やイベントに長蛇の列ができるということも珍しく、興味の対象は人それぞれなので何かに一点集中する傾向があまりないと思います。
海外に住んでいた時、たまに日本に里帰りすると「今はこれが流行っている」というのが毎年違っていたりしますが、フランスは久しぶりに行っても相変わらず何も変わってないし、目新しいこともないなという印象があります。
基本は石造りの家が中心なので日本のように建て替えも珍しく、古いものが大切にされる傾向があることから、街並みもあまり変わりません。
バカンスの過ごし方にしても、家族でゆっくりすることが基本です。
余暇の過ごし方もテーマパークや新しい店に出かけるということはあまりなく、ゆっくりと夕食を囲むことで家族や友人との時間を過ごすのがメインなので時間の流れがゆっくりだなと感じるのかもしれません。
子育てがしやすい
3人目を産んだら家族全員の公共交通機関の切符が半額になったり、色々な割引制度が充実しています。
税金や子ども手当の優遇制度も3人目からはよくなります。
フランスの出生率は、近年少し落ち込んでしまっているものの2006年以降約2.0をキープしていて、先進国の中では高いです。
女性が子供を産んでも働きやすいような制度が整っているからです。
私はフランスで働きながら3人の子育てをしました。
フランスの産休(Congé maternité)は、産前産後合わせて16週間とれるのですが、3人目の子供だとそれが26週間までとれます。
双子だったら34週間、3つ子以上だったら46週間などと定められています。
「母乳のために就業時間中の1時間を使って良い」などの決まりもあり、その分を朝30分、帰り30分の就業時間の短縮に変えてもよいのです。
母親だけでなく父親の方も産休(congé paternité)をとることができ、最大11日間、双子以上だったら18日間です。
その間の給料は社会保障制度から決められた額を支給されます。
規定の産休期間がおわっても、「育休」を3年まで取ることが出来て、その間は給料は出ませんが、会社側は復帰後のポストは保証しなければならないという法律があるので、これを利用して3年おきくらいに子供を産んでゆったり子育てし、子供が大きくなってから仕事に復帰するお母さんもいるとか、いないとか…
産休後の仕事への復帰はすぐにフルタイムで戻らないお母さんが多いです。
「4分の5」と言って、週5日勤務のところを4日だけの勤務にしてもらうこともできます。水曜日は学校が休みだったりする場合もあり、水曜日は休み、その他の日だけ働くようなシステムです。
わたしも「4分の5」の制度で働いていました。
学歴にしがみつかなくて良い
日本のような受験はありません。
エリートとして大企業のトップや政治家になりたかったら、良いグランゼコールへ行ってエリートコースを歩まなくてはいけません。
フランスでもそういう場合は学歴は重視されます。
でもみんながみんなそれを目指しているわけではありません。
勉強が嫌いなのに無理に塾に行かせてグランゼコールに行かせようと頑張る親。というのもいるのかもしれませんが、フランスにはそもそも塾がほとんどないのでよくわかりません。
大学やグランゼコール準備校への入学許可は、普段の学校での成績とバカロレアの成績できまるので受験対策というよりは、基礎学力を高めるように工夫している親はいると思います。
勉強ができる子は、学校の成績が常によく、エリートコースに乗っていくと思いますが、勉強が好きではない子はだいたい中学生くらいになったらわかってくるので、高校から普通校ではなく職業訓練を重視した学校などに行ったり、高校には行かずに早々に職人として生活することを決める場合もあります。
料理が好きならシェフになってそれを極めることもできるし、水道工事請け負い業などをやっていっても十分に良い給料はもらえたりするので必ずしも学歴が全てではないです。
日本ほど出身大学をいつまでも話題にするということもありません。
他人の目を気にしない
他人が何をやっていようが他人は他人、自分は自分という気持ちになります。
本当に色々な人がいて、個性を認め、自分に誇りを持つような教育がされているので、人の目を気にするフランス人はあまりいないです。
「自己肯定感」が高すぎる人は時には困りものですが、フランスでは世間体とか周りの目を気にせずすむので楽です。
バカンスが多い
バカンスが多いです。
バカンス中の宿題もないし、バカンス中は学校だけでなく習い事もおやすみなのでゆったりした生活が送れます。
夏が過ごしやすい
夏は適度に暑く、でも日本のように蒸し暑くありません。
日陰に入れば過ごしやすいです。
日が長いので10時近くまで明るく、1日を有効に使えます。
夕方くらいからピクニック用の食べ物をもってビーチに行く人も多いんですよ。
旅行がしやすい
まとまったバカンスが多く、みんながみんな同じ時に休みにならないので海外旅行や長期の旅行に行きやすいです。
近隣のヨーロッパ諸国であれば近いので旅費も安いし気軽に行けて本当に便利です。
ヨーロッパ好きだったら本当にいろんな国に行けてすごくメリットがあると思います。
素晴らしい海や山があり自然も豊富です。
食べ物がおいしい
食べ物がおいしいです!
美味しい食べ物をあげたら本当にキリがないと思うくらい美味しいものが多いです。
ただレストランは高いのですが、別にレストランに行かなくとも美味しい食材が安く手に入るし、レストランが高い分、自炊する習慣がつくので家でシンプルでも豊かな食事をすることができます。
パンや、チーズ、ハム、肉など基本的なものが美味しく安いです。
特に果物が安くておいしいです!
日本は果物が高くて残念…
芸術や文化に触れる機会が多い
日本ももちろん豊かな文化があって素晴らしいのですが、同様にフランスにも歴史と文化があり、それに触れる機会が多いのがメリットです。
素晴らしい美術館が沢山あり、芸術作品が多くあります。
コンサートやオペラ、バレエ、演劇を上映する劇場が身近にあります。
海外移住の1番のメリットは
メリットと思うかデメリットか人それぞれなことも多いでしょうが、
最後に海外移住の1番のメリットは…
視野が広がることです!
ぜひ海外に行ってみてください。