「そんなに頑張らなくてもいいですよ」と言いたいです。
「頑張る」って英語やフランス語には相当する言葉がないです。
「Do my best」とはちょっと意味が違うでしょ?
「頑張る」には、「困難を我慢してやりぬく」というような意味がありますが、毎日やらなければならない家事や子育てが「困難」なら「困難ではないやり方」で家事や子育てをしたほうがいいですよね。
私が20年以上暮らした海外生活の中で、子供達の乳幼児期を過ごしたフランスでの子育て事情についてお話ししたいと思います。
ぶっちゃけ、「手抜き?」と思われる方もいるとは思いますが、そこは「いいえ、おフランス流ですよ」と言っておけばいいんです。
「頑張るお母さん」とか「手作りに愛情をこめて」などどいった精神論はなく、何につけても合理的なフランス。
だいぶ日本とは違うと思います。
フランス流子育て(乳児編)
赤ちゃんは1人で寝かせる
日本では赤ちゃんと添い寝のママが今でも多いでしょうか。
フランスだと、赤ちゃんは生まれた時から自分のベットで1人で寝ます。
赤ちゃんが寝る寝室も夫婦の寝室とは別部屋が多いです。
別部屋の場合は、赤ちゃんが泣いた時すぐわかるように専用のベビーモニターを備え付けておけば安心です。
添い寝の危険も言われていますし、親と一緒に寝ることが赤ちゃんにとって必ずしも一番良いことではないと思います。
布団や親の体が被さり窒息死
ベッドと壁の間に挟まり窒息死
大人のベッドからの転落
別部屋は赤ちゃんのためだけでなく夫婦のためでもあります。
赤ちゃんが生まれてからも、夫婦で過ごす時間は大切にするべきです。
これに関しては、頑張るとか頑張らないの問題ではないですが、合理的に考えると、赤ちゃんにも夫婦にも一番良いのが別部屋ということになります。
泣いたらおしゃぶり
おしゃぶりは赤ちゃんに安心感を与えるものです。
おしゃぶりが必要なのに与えないで、指しゃぶりを覚えてしまって、指しゃぶりが中学生になってもやめられなかったり、指しゃぶりをしすぎで歯並びが悪くなってしまう場合もあります。
おしゃぶりは口呼吸を防止し、鼻呼吸にする練習になるという意見もあります。
おしゃぶりするとよく寝てくれるし、悪いものではないと思いますよ。
日本ではどれくらいの赤ちゃんがおしゃぶりを使っているのかわかりませんが、うちの子供達は皆つかっていて、おしゃぶりが取れる時期はまちまちでした。
おしゃぶりが取れない子は、幼稚園にも持って行っていました。
幼稚園の低学年では、お昼寝がある場合があるのでその時に使うのですが、自然に使わなくなりました。
市販の液体ミルクと離乳食をフル活用
日本でもようやく最近になってベビー用の液体ミルクが広く市販され始めましたね。
日本で買うとなるとまだちょっと高価なのが残念ですが、必要に応じて活用するとすごく便利だと思います。
液体ミルクは開封前なら常温で半年から一年間保存でき、温めることなくそのまま飲ませることができます。
フランスでは、赤ちゃんの年齢に合わせた様々な液体ミルクが市販されています。
一回飲みきりのボトルタイプもあり、乳首をつけるだけで使えるので消毒の手間もありません。
お出かけの携帯や非常時のためにストックしておくと安心です。
離乳食も種類が豊富です。
年齢にあわせて様々なものが用意されています。
手作りしたければすればいいけれど、市販の離乳食がきちんと赤ちゃんのことを考えて作られてたものなので、どんどん使用してかまわないと思います。
私は、毎日使っていました。
フランス流子育て(幼児編)
朝ごはんは作らない
基本は棚から出してきたものを食べるだけ。
飲み物を温めるのに電子レンジとコーヒーメーカーを使うくらいです。
大きな袋に入ったスーパーで買ってきた市販のパンを各自で食べるか、硬くなったバゲットにジャムなどを塗って食べる、カフェオレに浸して食べる、などです。
シリアルにミルクだけの人もいます。
飲み物はジュースか、カフェオレまたはホットチョコレート
お皿もなんなら使いません。
テーブルナプキンの上に散らかったパンくずは、皆んなが食べ終わった後ナプキンごととって、庭に捨てるだけ。後は鳥さんたちが片付けてくれる。
洗い物はコップとスプーン、ナイフくらい。
子供達もある程度の年齢になれば、ママが用意しなくても自分でできますね。
もちろん夫も。
おやつの時間は決まっている
おやつの時間(L’heure du goûter)は4時です。
フランスでは夕食の時間が少し遅めで、7〜8時くらいに夕食をとることが多いです。
子供が小さい時は特に、昼食から夕食まで時間が空くので、もう1つの食事のような感覚でおやつの時間をわざわざ設けて与えます。
おやつの時間にママが選んだ安全なおやつを与えてそれ以外の時間の間食はほとんどなしです。
おやつは大人も食べることもあります。
夕食が8時だとお腹がすきますからね。
シンプルな献立
手の込んだ料理をするのは、週末に知人を家に招いた時くらいです。
普段の食事はとてもシンプル。
シンプルと言っても、前菜、メイン、チーズ、デザートと食べるのはフランス流。
どんだけ手抜きでも、メイン+デザートは必ず食べます。
デザートといっても手の込んだ手作り菓子や洋菓子屋で売っているようなケーキではありません。
ヨーグルトとかプリンとかスーパーで買ってきた小分けになったものをそのまま冷蔵庫から出してきて食べるだけです。もしくは旬のフルーツ。
それでも立派なデザートですから!
メインは、買ってきたハムに、スーパーで買った袋入りの洗わないで使えるサラダで完了。
それにバゲットと買い置きのチーズで終わりです。
ハムじゃなければ、「スープ、キッシュ、パスタ、肉を焼いただけのどれか1つに + サラダ」など超簡単な料理で大丈夫。
その分質素な食卓でもみんなで囲んでゆっくり団欒できたほうか良くはないですか?
まとめ
「頑張る」の意味をアメリカ人やフランス人に説明してもあまり共感は得られないと思います。
自分の目標に向かって努力する「Do my best」とは意味が違ってくるところがあるからです。
いくら早起きして手の込んだ手作りのお弁当を用意し、掃除や洗濯などの家事を完璧にこなして頑張る主婦をアピールしてもそれほど尊敬を集めません。
それは本当に自分のやりたいことなのか?
自分自身のキャリアが築けていないのに本当にそれで良いのかと逆に心配されてしまうかもしれません。
もちろんそういう完璧な家事育児が好きであって、自分の生きがいと思うのではあれば、それも自信をもってやり通せば良いと思います。
人の意見や世間の目を気にして無理に頑張るのであれば、頑張らない他のやり方もあるということです。
フランス流の育児が良いと思うところは、取り入れて無理なく子育てできるように工夫していきたいですね。