今は東京に住んでいます。
私たちの家族はある程度快適だったフランスでの生活を一切やめて日本に移住してきました。
その1つの理由が子供達に日本での本当の生活を体験させるためです。
日本の教育がフランスよりも優れているとか、一方の国が他方よりも楽に生活できるからという理由ではなく、2つの異なった文化をバックグラウンドに持つ子供達に両方の文化と生活を体験させたくて、日本に来ました。
フランスと日本の学校についての違いについて改めて考えてみると、真逆だなと思うくらいの違いがあります。
どちらにも良いところ悪いところがあります。
もくじ
フランスの学校は無い無いづくし
入学式も体育祭も【行事】は無し
驚くのが、フランスでは行事がほとんどありません。
まず入学式がありません。
小学校、中学校、高校など全て、入学しても入学式はありません。
最初の登校日に登校して、学校の入り口にクラス分けが発表されているので、指定のクラスに入り、学校が始まります。
必要なオリエンテーションなどはありますが、身体測定とかもなく、すぐ普通の毎日が始まります。
当然、始業式・修了式などもなく、卒業式さえありません。
運動会もなけれな学校祭もありません。
修学旅行もありません。
全て担任の先生の裁量、やり方に任されていて、色々とやりたい先生のクラスに当たれば、修学旅行のような旅行や短期の語学研修を計画してクラスを引率してくれる先生もいます。
でもただ授業をするだけという先生にあたれば、一年間、学校に授業を受けに行くだけです。
【部活】無し
中学、高校でも部活動は基本なしです。
水曜日だけ同好会みたいな感じで活動をやっているグループがある場合もありますが、基本的に日本のような部活動はありません。
スポーツも音楽も、やりたい人は学校以外で習い事として活動をします。
【校則】無し
日本の学校で定められているような校則はありません。
公立学校はどこも私服ですし、髪型や髪の色なども子供達の個性が違いすぎでそういったことに取り決めをする意味がありません。
もちろん遅刻や無断欠席などは成績表に細かく書かれますし、授業中の態度も成績に響く部分があります。
明文化された校則はなくとも、指導はきちんとされていて、態度の悪い子供の親は呼び出しをくらったりもします。(子供が低年齢の場合)
【設備】無し
授業を受ける教室や最低限の授業が行える理科室等の教室を除き日本の学校のような素晴らしい設備はありません。
入学式もしなければ、運動会もしないので、大勢を集めるための場所もいりません。
グラウンドはそれほど大きくないものがあるか、もしくはコンクリートの広場のようなものがあるだけです。
指定の体操服もないので、体育があるときは動きやすい服装を持っていったり着ていったりしますが、学校でできる範囲の運動をします。
プールも学校にはないですが、小学校では大体冬になると週一くらいでバスに乗ってクラスで市民プールに行って水泳の授業を受けます。
設備が少なければ維持費もかからず合理的ですよね。
授業は先生のやり方で変わる
何事も先生の裁量任せ
フランスの学校は担任の先生のやり方で授業の進め方が全く違います。
大体のカリキュラムは決まってはいるようですが、使う教科書も先生が選びます。
教科書をほとんど使わないで独自の教え方をする先生もいます。
子供が低学年の時、アートが大好きな先生がいて、美術や図工に多くの時間を割り当てている先生がいました。
学年末には素晴らしいアート作品をたくさん持ち帰って来ました…
フランスの先生は威厳があります
なかなか大人しく座っていることさえ難しい低年齢の子供たちですが、
小学校1年生のクラスでもみな静かに座って授業を受けるよう厳しく指導されていてその点はすごいと思いました。
授業参観さえないので授業の詳しい様子はわからないのですが、学校の様子を見たければ、時々召集のかかる、「お手伝い」に名乗りをあげればクラスの様子を見にいけます。
半日の遠足に同伴できる保護者を募集しますとか、クラス内で特別なアクティビティをするのでお手伝いが数名必要という時にボランティアとして行けば良いのです。
給食や休み時間の子供達の監督などは専門のスタッフが別にいて行います。
ストライキは先生次第
フランスの学校では先生もしょっちゅうストライキをします。
学校で話し合って全ての先生がストライキをするというわけではなく、先生によります。
ストライキに賛同する先生のクラスだけ休校になります。
それもわりと直前まで「ストライキするかしないかわからないわ〜」という調子なので、保護者としては困るのですが、なぜかストライキをする人に対してフランス人は寛容な気がします。
多分、自分もストライキをする側にまわることもあるからではないでしょうか。
昼食&送り迎え
中学校からは全ての生徒が学校に備え付けの食堂(cantine:カンティーン)で給食を食べますが、小学校までは、毎日給食を食べられるのは、共働きの家庭の子供だけです。
共働きでなければ、給食を毎日食べられないので、
お昼休み前に学校へ迎えに行って、家で食べさせ、午後からの授業に間に合うように送り届けます。
お昼休みは2時間なので時間的にはゆっくりできるのですが、お昼に毎日迎えに行って家で食べさせるのはかなり大変です。
小学校卒業までは、子供1人で学校へ登校することが許されていないので、親か誰かが送り迎えをしなければなりません。
日本では小学校1年生から子供だけで登校するので、それを見るとちょっと安全面で心配だなと思うことはあります。
逆に日本では、生徒主導の学校祭や体育祭で青春できるし、部活で友達と汗を流し友情を深められる場がある、というのが良いところかなと思います。